チューニングがすぐに狂う!どうする?!
「せっかくチューニングを合わせたのに、すぐに狂ってしまう!」なんて話は、ギタリストならあるあるな悩みですよね。
ライブの曲間で合わせられるならまだしも、演奏中に狂い出してしまうと、どんなに技術が高くても台無しです。
特にアコギは生音の響きが重要なので、大元の音程が狂ってしまうとゴマかすこともできません。
ギターを複数本持っている人なら、「このギターは安定しているけど、あっちは狂いやすいんだよな…」といった違いを感じることも多いと思います。
大半のギターは木材を使っている以上、同じ個体は2本と存在することはなく、違いは確実に存在します。
けれども、チューニングの狂いを最小限に抑えるための「工夫」は、全てのギターに共通して使えるものです。
ポテンシャルを100%引き出し、演奏クオリティをアップさせるためにも、これらの要素を見直しみてはいかがでしょうか?
ギターの音程を構成する要素は、主に以下の5つです。
●ブリッジ…ボディと弦とを接続する部分
●ネック…弦の張力を支える部分
●ネック…弦の張力を支える部分
●ナット…ネックの端で弦間を固定する部分
●ペグ…弦を張る強さを調整する部分
●弦…振動することで実際に音を出す部分
これらが相互に作用することで、初めてギターは楽器として成立します。逆に言えば、このどこかがうまく働いていないと、それだけでチューニングの安定性は損なわれてしまいます。
一つひとつのチェックポイントを確認していきましょう。
ギターの音程を安定させるポイントです!!参考にして下さい。
■ブリッジ
①ブリッジピンが劣化していないか?
ブリッジピンは基本的に消耗品です。長年使っていながら全く交換していない、ということはないでしょうか?
経年変化による緩みや歪みが、チューニングを不安定にさせたり、弦振動をボディにうまく伝えられず、音色が不明瞭になることもあります。
長らく交換していない人は、ピンに気になる変化が出てきていないか、よく観察してみるべきです。
■ネック
②トラスロッドがきちんと調整されているか?
日本のような四季のある気候では、温度や湿度が季節によって大きく異なるため、ネックも順反りや逆反りを起こすことが多いです。
順反りするとチューニングが全て下がったり、逆反りの場合は上がったり不安定になるので、都度トラスロッドを調整してネックの状態をストレートに保つことが大事です。

※ネックを痛めるおそれがあるので、くれぐれも一気に回さないようにしましょう。
調整が初めてで自信のない方は、ネックの反りの確かめ方も含めて、楽器店に見てもらうのもよいと思います。
■ナット
③チューニング時に「ピキッ」と音が鳴っていないか?
ペグを回して音程を上げていく際に、よくナット付近で「ピキッ」という金属音がすることがあります。
これは、ナットと弦の間に過度な摩擦が発生していて、スムーズに弦が動いていない(引っかかっている)場合に発生しがちです。
ペグの細かな動きがダイレクトに弦に伝わらないため、細やかなチューニングができず、例えばチョーキング後に音程がフラットするようなケースも見受けられます。
対策としては、
A. ナット潤滑剤を使用する

弦を張る際に、ナットの溝にあらかじめ「ナットソース」などの潤滑剤を塗布しておきましょう。
これはナットと弦との摩擦を最小限にしてくれるスグレモノで、ウソのようにスムーズに弦が動くようになります。
ピキッという嫌な音ともサヨナラです。
B. ナットの溝切りを調整する
潤滑剤を使ってもスムーズに動かない場合、弦のゲージがナットの溝幅と合っていない可能性があります。
出荷時のゲージに合わせて溝切りされているため、太いゲージを張ると弦とナットが過度に密着してしまい、引っかかるケースも多いです。
溝切りは弦高にも影響する繊細な部分であり、削り過ぎると取り返しがつかないので、楽器店に持ち込むのがベターです。
C. ナットを交換する
ナットには牛骨やブラスなど、様々な素材が使われています。
通常は音色の変化を求めて変更することが多いですが、ジュラコンやミカルタといった樹脂製の素材は、そもそも摩擦が少なくなっています。
場合によっては、素材から見直してみるのもよいかもしれません。
■ペグ
④弦がペグポストに綺麗に巻かれているか?
弦をポストに巻いていく際に、きちんとポストの穴から下に向かって等間隔で弦が巻かれていることが大切です。
弦が重なっていたり、巻きすぎていたり、また短すぎても、チューニング的には好ましくありません。

どうしても弦を張るのが苦手な人は、「マグナムロック」などのロック式ペグに交換するのもよいでしょう。
ポストに弦を巻きつける必要がなく、穴に通した上からネジで固定するので、チューニングの狂いも少なく手間も省けます。

■弦
⑤弦自体が古くなっていないか?
サビついた弦ではナットの滑りも悪く、金属自体の劣化もあってチューニングは安定しません。
音痴なギターが許せないなら、手間とお金を惜しまず弦交換を定期的に行いましょう。
どうしても面倒なら、多少高くてもエリクサーのようなコーティング弦を張れば、通常の数倍はサビずに長持ちするのでオススメです。

⑥弦のゲージは細すぎないか?
指の力が弱いからといって細いゲージを張ってしまうと、弦のテンションが弱くなってしまい、チューニングが不安定になる場合があります。
極端に細いゲージを使うのは、繊細な音程をコントロールできる腕が要求されるので気をつけましょう。
⑦弦を交換後にきちんと伸ばしているか?
張り替えたばかりの弦はまだ伸び切っていないため、一度のチョーキングだけでも大きく音程が下がってしまいがちです。
チューニングが安定するまで、全ての弦でチョーキングを繰り返すなどしておきましょう。
いかがでしたか?自分の大切なギターをいつまでも良き相棒としたいならチューニングが狂わないようにしてあげてください。
しっかりメンテナンスしてあげれば、あなたの思い描いていたような音を奏でてくれるはずです。