甘いサウンド!フルアコースティックギター
みなさんはフルアコってご存知でしょうか。
フルアコースティックギターという一応エレキギターの種類ではありますがあの太くて甘い音にはヤられてしまいます!
そんなフルアコについてお話していきたいと思います
フルアコとは?

フルアコ(フルアコースティックギター)とは、「ボディ内部が完全に空洞になっているエレキギター」のことで、特に日本国内でボディ中央に木部(センターブロック)を配した「セミアコ」と区別する名前として使われます。
フルアコ、セミアコをあわせて「ハコモノ」と言いますが、ジャズギター、ボックスギターと呼ばれることもあります。
世界的にフルアコ(full acoustic)という言葉が使われるということはなく、どちらもボディトップがアーチを描いていることから「アーチトップ」と総称されます。

甘く艶やかなもの。アコースティックギターのように、アンプを通さない生音(なまおと)でも、豊かな響きが得られます。
ボディがアコギと同じ空洞であるため、ハウリングを起こしやすいです。
フルアコを代表する二大ブランドといえばギブソンとグレッチです。
永らくシェアを競っていた両ブランドです。フルアコは基本的に高級感と、どっしりとした風格があります。
ビシっとスーツを着てフルアコを構えるギタリストの姿は、一幅の絵のようですらあります。
また大きなボディに由来するふくよかなトーンは「エアー感」があると表現され、スウィートで艶やかです。
日本でのフルアコの解釈

日本でのフルアコの解釈
フルアコ:ボディ内部が全て空洞(ホロウ構造)
セミアコ:ボディ内部にソリッドの部分がある(セミホロウ構造)
というようにボディの内部構造で呼び方を変えています。
よって一見セミアコに見えそうなエピフォンカジノでも、ボディ内部が空洞なのでフルアコという解釈です。
いっぽう世界的にはフルアコと呼ばれることはなく(フルにアコースティックなら、それはアコギですよね)、ざっくり「アーチトップギター」とくくっていますが、アコギとしても使用できるボディサイズがその条件のようです。
よって内部が完全に空洞でも、「シンライン」の名で生産されたボディ厚を抑えたモデルや先述のカジノなどが「セミアコースティック・ギター」と呼ばれているようです。
またES-175など厚みがありながらもアンプを通して使用することが前提となっているギターも、セミアコと呼ばれています。
フルアコの特徴

フルアコのベースとなっているピックギターは、ヴァイオリンの工法をギターに応用しています。
その関係で、フルアコに使用される木材はヴァイオリンに使用される木材をお手本にしており、ボディのトップはスプルース、ネックとボディのサイド/バックはメイプル、指板はエボニーという構成が基本となっています。
ボディトップ/バックのアーチは、厚みのある板を削って成形されます。
しかしそれだけの体積のある良い木材が慢性的に不足していること、また作業行程を簡略化して価格を抑える目的から、メイプルなどの木材を何枚か貼り合わせたラミネート材を使用するモデルが開発されました。

ラミネート材のギターは廉価版のピックギターとして登場し、アコースティックギターとしては音量が心細いものでしたが、これをフルアコとして使用すると適度に鳴りが抑えられることからハウリングに強く、大音量で演奏したり、また時には歪ませたりといったこれまでにない使い方ができるようになりました。
内部が完全に空洞となっているホロウボディはトップ/サイド/バックそれぞれの板を貼り合わせて作られます。
セミアコなどでは厚みのある板をくり抜く工法が選択されることもありますが、フルアコでは貼り合わせでボディを作ります。
フルアコにはベースとなっているヴァイオリンやピックギターの名残が多く残されています。
ちなみに、ネックジョイントが必ず14フレット接続になっており、ボディトップにFホールが空いているのが多く、また指板には高級感のある大きなインレイが埋め込まれます。
ブリッジは弦の圧力で固定されるタイプのもので、テールピースがボディの端に取付けられますが、これはヴァイオリン属の楽器に共通している特徴です
フルアコのピックアップについて

基本はエレキギターと同じハムバッカーなどのピックアップが搭載されています。
フロントピックアップのみ、若しくはフロント&リアの2基が搭載されるのが基本的なスタイルです。
リアピックアップの鋭いサウンドはブルーズ/ロックンロールやソウル/ファンクには良好なトーンで、グレッチなどでは必須になっています。

しかしこうした音を使用しないジャズプレイヤーは、フロントのみのモデルを選ぶことも多いようです。
またフロントのみのモデルはボディに載せる電気系パーツが少なく済むので、そのぶんボディの振動を大事にできるというメリットがあります。
可能な限りボディの振動を大事にしたい、という考えで考案されたのが、ディ・アンジェリコのギターに代表される「フローティング(浮いている)・ピックアップ」です。
これはピックアップ本体をネックの端に固定することでボディから浮かし、振動を妨げないようにする設計になっています。
ヴォリューム/トーンもピックガードにマウントすることで、ボディ鳴りを可能な限り保持しています。
まとめ
いかがでしたか。アコギやエレアコとはちょっと違う構造でまた違うキャラクターの
音を奏でてくれています。この記事で興味を持ってくれましたら幸いです。是非フルアコを買ってみるのもいかがでしょうか!