アコギをどうやって保管してますか?
日本の冬はとっても乾燥しがち。
乾燥は肌のカサつきや静電気が起こりやすくなるだけではなく、風邪やインフルエンザなどのウィルスが体内に入りやすくなったりと人体に様々な悪影響を及ぼします。
しかしこの乾燥、人体だけではなくギターにも大きな影響を与えるんです。
みなさんはどのような対策をしていますか?
特にこの時期に有効な乾燥対策をご紹介しましょう。
日本で最も湿度の低い都道府県は東京都だそうです。
しかも東京の冬は年々乾燥が進み、更には湿度も低下していて気象庁発表による年間平均湿度は、1876年には「78%」もあったの対し、2013年には「61%」まで下がっています。
そして驚くことに2011年の最小湿度は「9%」を記録しました。
砂漠の平均湿度が20~25%程ということですが、東京ではこの時期になると最低湿度が13〜20%まで下がってしまい、砂漠よりも乾燥しているといえます!
この湿度はギターにとって良いわけがありません。特にアコギには厳しい時期になってきたのです。
逆に湿度が高すぎてもアコギには良くありません。
もちろんアコギに使用している木材や塗料の種類によっても影響に違いはありますが、では一体乾燥しすぎるとどうなるでしょうか?
・トップ材が割れてしまう
・ボディや指板が剥がれる
・ギターが歪む
・ネックが反る
・ブレーシングやブリッジが剥がれる
・フレットが飛び出す
などといった影響が出てきます。
アコギ乾燥対策にはどんなものがあるんだろう?
ギターにとって最適な湿度は50〜60%といわれています。
これ以上でもこれ以下でも良くありません。
私たち人間も40~60%が快適で健康的に過ごせる湿度ですから、ギターも人間も同じ環境で過ごすのが最適といえますね。
一般には
・加湿器
・アコギ用湿度保持キャップ
・ギター用保湿器
・ハードケース+湿度調節剤
などが考えられます。
冬場の乾燥対策4つ!ご紹介します。参考にして下さい。
加湿器

大手家電量販店などで普通に購入できますよね。
加湿器にも様々なタイプと機能があります。
スチーム式や超音波式、気化式、ハイブリッド式といったものが挙げられますが、環境や値段、機能、デザインで選ぶといいですね。
日本の冬はストーブやエアコンで部屋を暖めますが、それが湿度低下の一番の原因です。私たちが快適に過ごせる湿度設定でアコギも快適な環境でいたわりましょう。
加湿器がない場合は部屋の中に洗濯物を干しておいたり、濡れたタオルをかけておくだけでもいいですね。
ただし加湿器のそばにギターを置くのは厳禁です!蒸気でギターがダメになってしまうので注意が必要です。
アコギ用湿度保持キャップ GUITAR BREATH 2(ギターブレス 2)

乾燥によってアコギに及ぼす影響を長時間防ぎ、サウンドホールに取り付けるだけのアコギ専用湿度調整材というものがあります。
楽器屋に行ったとき、アコギに取り付けられているのを見たことがある人も多いはず。
保湿剤部分を水で濡らし、サウンドホールにただカパッとはめるだけで簡単に乾燥からアコギを守ってくれるんです。
あのエリック・クラプトンが来日した際に購入していったという話もあるくらいの優れものなんですね。
注意して欲しいのが水分の含ませすぎです。
急激な湿度変化は本体や塗装の割れなど悪影響を及ぼしかねません。取扱説明書をよく読んで使用してください。
また、サウンドホールの形状によっては取り付けられないものもあるので気をつけてください。
ギター用保湿器

アコギ専用の保湿器はサウンドホール内にチューブを入れるものや、水分を含ませたスポンジを容器に入れてサウンドホールに取り付けるものまで様々なものが販売されています。
やはりいずれのタイプもストーブなどの暖房やエアコンによる影響を避けて使用し、湿度のチェックと保湿器の水分チェックはこまめにしましょう。
しかしどれも簡易的なものです。完璧に乾燥を防ぐことはできませんので、機能など十分に理解した上で使用してください。
ハードケース+湿度調節剤

ここまでは部屋の中でギタースタンドなどに立てかけて保管している場合や、いつでも弾ける状態にしている場合についての湿度管理方法を説明してきました。
しかし高級ギターなどはハードケースに入れて保管している場合が最も多いと思います。
このケースでの保管は外気の影響を受けにくく、たとえ外の湿度が1%であろうとケース内の湿度が50%ならば、湿度が50%のままギターは保管されるのです。
デッドストックなどは正にこの状態のわけですね。
湿度調節剤にはたくさんの種類がありますし、各ギターメーカーなどからも販売されています。
値段も手頃で、1パックに2個入っていますし、1個あたり約6か月も使えるので経済的ですよね。
また、脱臭効果・防錆効果があったり柑橘系やココナッツ系の香りがするものもありますので、好みに合わせたチョイスができるというのも嬉しいですね。
ただし、ケース内に湿度計も一緒に入れるのもお忘れなく。
また、最低でも月に1度はケースを開けて湿度調節剤をチェックしてあげてください。
メンテナンスとしっかりとした保管方法を守って、いつまでも自分のギターのコンディションを良好に保ちましょう。
ギターを生かすも殺すも湿度次第
湿度コントロールはそんなに難しいことではありません。
特にこれからの時期、自分の体調管理と同じようにギターも管理してあげてください。
ギターが風邪を引いてはいい音で鳴ってくれません。人間と同じようにギターの体調管理はしっかりとしましょう!!