圧倒的に美しい音色を出すアコギの木材 サイド・バック材23選

ギターの音色を作り出すサイド/バック材

今回はアコギに使われる木材のお話です。トップ材が弦の振動をボディに伝えるのが主な役割だとすれば、サイド/バック材はその振動を増幅して、ギター固有の響きや音色を作り出すのが役割と言えます。木材は種類によって比重も密度も異なるので、当然ながら同じ弦振動を与えても共鳴の仕方が違ってきます。

アコギで好みの音を出したい人必見!木材の種類と特徴【完全版】

2016.09.26

そこにボディの形状やサイズなどの要素も加わって、生鳴りの大きさや音の方向性が決まってくるのです。アコギの心臓部とも言える重要な部分だけに、これまで数多くの木材が製作者によってセレクトされ、素晴らしい音色を生み出してきました。ここでは、現在のアコギに使われている、代表的なサイド/バック材とその特徴を見ていきましょう。

スギモト
サイド・バック材は音を決める重要な役割があるんですね。

■サイドとバックの違い

通常、カタログなどには「サイド/バック材」とまとめて記載されていることが多いですが、本来は別々の木材を貼り合わせたものです。しかし種類の異なる木材を使うと、トップからの振動がスムーズにボディ全体に伝わらず、ギターの響きに悪影響を与えることが多いことから、同じ材を用いるのが通例になっています。

バック材に一枚板が使われることは、強度やコストの観点からほとんどなく、センターで二枚の板を貼り合わせるのが主流です。サイド材は、ボディのシルエットに合わせて丁寧な曲げ木が施され、ボディエンド部とネックエンド部で接合されています。

スギモト
それでは23種類のアコースティックギターのサイド・バックに使われる木材の特徴と音色を紹介します。

■主な木材の種類と特徴

・ローズウッド
アコギのボディ材として、最もポピュラーな材。産地などによって種類や呼称が異なり、それぞれが固有の音響特性を持っています。

・インディアン・ローズウッド
 ローズウッドの中でも最も普及しており、一般的に「ローズウッド」と表記されている場合は、ほとんどがインディアンと考えてよいでしょう。平行にまっすぐ走る木目も特徴です。艶やかな高音から、深みのある低音まで、レンジが広くバランスがとれています。

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・ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)
 アコギ・エレキを問わず、最高のギター材と称されるローズウッドの王様。インディアンと比べると、より硬質で倍音の多い、きらびやかなサウンドを響かせます。不規則な木目も特徴です。現在はワシントン条約により輸出入が禁止されているため、希少価値が非常に高く、一部の超高級ギターにしか使用されていません。

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・ホンジュラス・ローズウッド(ニューハカランダ)
 入手がほぼ不可能になっているハカランダの代替材として、近年は上位機種を中心に利用が進んでいます。不規則な木目や、インディアンよりも硬質でカラッとした音色は、ともにハカランダに近い特性を持っています。

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・マダガスカル・ローズウッド
ホンジュラスと同様、ハカランダに近い特性を持つ材と言われています。マーティンの戦前復刻モデルで、ハカランダの代わりに使われたのはこの材でした。レスポンスの早さと音の深みを兼ね備えている、非常に優れた高級材です。

・ボリビアン・ローズウッド
パーフェロー、モラードとも呼ばれます。ローズウッドと呼ばれていますが、実際にはマメ科ではなくジャケツイバラ科に属します。ハカランダよりも重く硬質で、指板に使われるエボニー(黒檀)に近い音響特性を持つと言われています。

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・ココボロ
メキシカン・ローズウッド、サザンアメリカン・ローズウッドとも呼ばれるマメ科の硬材。レスポンスが早く明るいサウンドで、良質なココボロのトレブリーな倍音構成は、ハカランダに非常に近いと言われます。

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・マホガニー
ローズウッドと並んで、アコギのボディやネックに最もよく利用される材。こちらも種類が豊富で、希少価値が高まった種類には代替材も登場しています。

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・ホンジュラス・マホガニー
マホガニーの中でも、最もギターに適していると言われますが、ワシントン条約によって輸出入が禁止されているため、現在はかなり希少な材となっています。重厚なローズウッドに対して、ミッドレンジに強く、軽く明るいカラッとしたサウンドが特徴です。

・アフリカン・マホガニー
入手困難で高騰したホンジュラス・マホガニーに代わって、一般的に流通するようになったのが、中央アフリカ産のアフリカン・マホガニーです。ホンジュラスと比べると、やや硬質な個体が多いようです。

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・サペリ
近年、マホガニーの代替材として、大手メーカーがこぞって利用しています。アフリカン・マホガニーと非常に近い特質を持っていますが、やや硬質なためトーンがさらに明るくなり、トップエンドが際立つ印象です。

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・ナトー
廉価ながら、赤褐色でマホガニーに近い音色を持つため、代替材として数多くのギターに使われています。

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・メイプル
エレキギターでは最もポピュラーなメイプルですが、アコギのネックやボディ材としても利用されています。フレーム、キルト、バーズアイなど多種多様な木目の美しさも特徴的です。非常に硬質なため、レスポンスが早く、切れ味の鋭いサウンドを響かせます。

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・シカモア
ヨーロッパ原産で、メイプルと同じカエデ科に属する。ストラトヴァリウスなどバイオリンの銘器にも使われていました。通常のメイプルよりも柔らかいため軽快な音で、光沢のある乳白色にトラ目が映える美しい木材です。

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・コア
ハワイアンコアとも呼ばれます。密度が高く硬い材質で、ミッドレンジの押し出しが強いのはマホガニーにも似ていますが、ハードウッドならではの粒立ちがよく明るいサウンドや、ひと目でわかる美しい木目が特徴です。

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・アフリカン・ブラックウッド
アフリカン・エボニーとも呼ばれ、木材の中でも特に比重が重いのが特徴。ボディとして利用できる大きさの材は希少なため、使用ギターは非常に高価になります。その重さに負けない良質なトップ材と組み合わせた際のサウンドは、ハカランダ以上とも言われます。

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・ジリコテ(シャム柿)
非常に硬いながらも弾力性があり、ウォールナットのような木目が特徴。メキシカン・エボニー、メキシカン・ローズウッドと呼ばれることもあります。立ち上がりの早さと輪郭のくっきりしたサウンドを響かせます。

・ウォールナット
北米に分布する、クルミ科の落葉広葉樹。高級家具に利用されることが多いが、ギターにも稀に使用される。中音域の豊かさはマホガニーを彷彿させるが、比重が重めのため音の軽さはなく、ローズウッドのような重厚さを兼ね備える。

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・オヴァンコール
マメ科に属し、種別としてはローズウッドに近い材。低音から高音まで、レンジの広さとバランスの良さはローズウッド譲りながら、ミッドレンジの豊かさと暖かみはマホガニー的でもあります。美しいストライプの木目が特徴です。

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・レースウッド
細かなウロコのような木目が特徴的で、家具など様々な用途に利用されています。中音域の主張感がマホガニーと似ていますが、高音域はマホガニーよりも角が立たず、やさしく暖かみのある音を響かせます。

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・ブビンガ
非常に重たく硬い材質でありながら、非常に大きく育つため、巨大な和太鼓などにも使われます。迫力のある低音と、エッジの立った中高域が特徴で、サステインも長い傾向があります。

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・リラコード
木材以外を使用したアコギの代表例として、オベーションが挙げられます。ヘリコプターの羽を作っていた親会社の技術を活かして、「リラコード」と呼ばれるガラス繊維の強化プラスチックを生み出しました。サイドとバックを一体化した形状で、アコギの悩みのひとつである「ハウリングの抑制」に効果を上げています。

・グラファイト
トップ材、サイド/バック材、ネック材/指板、全てをグラファイトで作成したアコギも存在します。「RAIN SONG」と名付けられたそのギターは、木材と違って環境の変化に非常に強く、強度が高いためブレイシングによる補強を必要としません。本来の鳴りを抑制しないことで、豊かな響きを実現しています。

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・まとめ
ここに紹介した木材も、ギターの歴史の中で使われたものの、ほんの一部と言えるでしょう。ギター製作者は、良い音を追求する中で、数限りない木材を挙げていけばキリがないほどの種類ですが、これまでのギターの歴史で試されてきた木材の数からすれば、ほんの一部と言えるでしょう。

ギター製作者はより良い音を追求する中で、チャレンジと挫折を何度も繰り返しながら、これらの「トーンウッド」を発見してきました。地球レベルで、様々なトップ材とサイド/バック材が巡り合い、ルシアーの手によってどんな音色が生み出されるのか…。そんなことを思い浮かべながら、自分にとって「最高のギター」を探求してみてはいかがでしょうか。

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アコースティックギター・スギモトとは?

良いギターを日本のたくさんの人に弾いてほしい。
努力の結果、アメリカ本国のメーカー・ディーラーから日本でも低価格で高品質のアコースティックギターを販売できる事ようになりました。
全てのギターリストに良質なギターを。
それを実現したのが「アコースティックギタ ー・スギモト」です。

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